ここが武林の分かれ道! ガガガ文庫より発売中の痛快武侠ノベル『武林クロスロード』シリーズ! その最新情報や制作裏話を、作者&イラストレイター自らが特設ブログでお送りいたします。女傑が振るうは万軍を制す刃、守るは華の如き美少女道士。暴虐の大地に炸裂する血と艶色の宴を、いざいざご覧あれ!!
(深見)
『武林クロスロード』に関係あるようなないような、そんな話を。
先日、俺とRebisさんと、共通の友人であるイラストレーター沈没さんとで
『かちこみ! ドラゴンタイガーゲート』
という香港映画を観てきました。
とても面白かったです……! さすが、武術指導ドニー・イェン。
今、世界一のアクションを撮る男です。
手技が速い! 速いだけじゃなくて複雑!
ラストバトルの迫力はまさに空前絶後。
「ああ、俺もがんばんなきゃ!」と刺激を受けました。
で、今回はそんな香港映画について。
香港映画の下地には、武侠小説が存在する。
香港の映画人たちは武侠小説を読んで育ち、
武侠小説を原作にした映画にこだわりがある。
たとえばチャウ・シンチーの映画『カンフーハッスル』に原作はないが、
その内容は、数々の武侠小説へのオマージュとパロディで溢れている。
世界で活躍する香港映画出身の監督で、
武侠小説原作の映画を撮ったことがない人は一人もいないのではなかろうか。
香港映画は、ハリウッド映画さえも変えてしまった。
かつてのハリウッド映画では、
「武術の達人」が主人公になるということがなかった。
シュワルツネッガーのような筋肉質な大男が出てきて、
テクニックではなくパワーにものを言わせて敵を倒す。
かなり大雑把なアクションが主流だった。
しかし、香港映画は違った。
常識的には不可能なハチャメチャな立ち回りを演じつつも、
武術的なディティールにはかなり気をつかっている。
パワフルかつ繊細な香港映画の立ち回り。
映画の歴史を変えた作品を少し紹介したい。
まず、絶対に忘れてはいけないのはキン・フー監督の
『大酔侠』
だろう。
本格的な香港映画のはしりであり、
当時は本当に珍しい「戦うヒロイン」の映画でもあった。
1966年公開、主演はチェン・ペイペイ。
女性が主人公でありながら、甘い展開がほとんどない点がすごい。
この映画における、一対多の立ち回りを美しく魅せるカメラワークやカット割りは、後の作品にまで多大な影響を与えた。
さらに革命的だったのが、ブルース・リーの映画。
彼の作品のアクションは、映画的なケレンミを意識しつつ、
しかし実戦のリアリティがほのかに残っていた。
『ドラゴン危機一髪!』『ドラゴンへの道』『燃えよドラゴン』あたりは、
今見ても本当に面白い……!
『燃えよドラゴン』の前半では、
ブルース・リーVSブレイク前のサモハンという豪華な対決が観賞できる。
オープンフィンガーグローブを着用し、打撃だけでなく関節技まで使うそのスパーリングは、総合格闘技ブームの完全な先取りだった。とても30年前の映画とは思えない。今でも、ハリウッド映画の立ち回りはブルース・リーに追いついていない。
ブルース・リーの死亡以降、やや低迷する香港映画界。
その状況に活を入れたのが、ツイ・ハークだった。
香港映画といえば、人間を空に飛ばすワイヤーアクション。
ワイヤーアクションを最も効果的に使うのが、
ツイ・ハーク監督と武術指導ユエン・ウーピンのコンビ。
このコンビは、リー・リンチェイ(ジェット・リー)を主演に据えた、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで世界の度肝を抜いた。
中国拳法のテクニック、武侠の超人性、一風変わった状況での戦い……。
ツイ・ハークの作品には、香港映画のすべてが詰まっている。
深見にとってのキング。キングオブ香港映画だ。
ツイ・ハーク監督作品には、一目見ただけでは何がなんだか判らない奇妙な武器がよく出てくるのも楽しい。ワンチャイ第二作『天地大乱』で登場した布の槍。『刀』で登場した、鎖つきの短刀。『セブンソード』に登場した殺人傘や連結剣。
どう見ても武器に見えない「それ」が、戦闘になると実に見事な動きを見せる……! そこが本当にたまらないのだ。
ツイ・ハークも武侠小説にこだわりを持つ映画人の一人。
『新蜀山劍侠』(邦題、蜀山奇傳 天空の剣)や、
『七劍下天山』(邦題、セブンソード)などなど、
武侠小説を原作にした映画を何本も撮っている。
ハマればハマるほど奥深い香港映画の世界。
深見の人生は、武侠小説と香港映画に多大な影響を受けている。
受けた影響を、ストレートに吐き出そうと思って書き始めたのが、
『武林クロスロード』だ。
『武林クロスロード』に関係あるようなないような、そんな話を。
先日、俺とRebisさんと、共通の友人であるイラストレーター沈没さんとで
『かちこみ! ドラゴンタイガーゲート』
という香港映画を観てきました。
とても面白かったです……! さすが、武術指導ドニー・イェン。
今、世界一のアクションを撮る男です。
手技が速い! 速いだけじゃなくて複雑!
ラストバトルの迫力はまさに空前絶後。
「ああ、俺もがんばんなきゃ!」と刺激を受けました。
で、今回はそんな香港映画について。
香港映画の下地には、武侠小説が存在する。
香港の映画人たちは武侠小説を読んで育ち、
武侠小説を原作にした映画にこだわりがある。
たとえばチャウ・シンチーの映画『カンフーハッスル』に原作はないが、
その内容は、数々の武侠小説へのオマージュとパロディで溢れている。
世界で活躍する香港映画出身の監督で、
武侠小説原作の映画を撮ったことがない人は一人もいないのではなかろうか。
香港映画は、ハリウッド映画さえも変えてしまった。
かつてのハリウッド映画では、
「武術の達人」が主人公になるということがなかった。
シュワルツネッガーのような筋肉質な大男が出てきて、
テクニックではなくパワーにものを言わせて敵を倒す。
かなり大雑把なアクションが主流だった。
しかし、香港映画は違った。
常識的には不可能なハチャメチャな立ち回りを演じつつも、
武術的なディティールにはかなり気をつかっている。
パワフルかつ繊細な香港映画の立ち回り。
映画の歴史を変えた作品を少し紹介したい。
まず、絶対に忘れてはいけないのはキン・フー監督の
『大酔侠』
だろう。
本格的な香港映画のはしりであり、
当時は本当に珍しい「戦うヒロイン」の映画でもあった。
1966年公開、主演はチェン・ペイペイ。
女性が主人公でありながら、甘い展開がほとんどない点がすごい。
この映画における、一対多の立ち回りを美しく魅せるカメラワークやカット割りは、後の作品にまで多大な影響を与えた。
さらに革命的だったのが、ブルース・リーの映画。
彼の作品のアクションは、映画的なケレンミを意識しつつ、
しかし実戦のリアリティがほのかに残っていた。
『ドラゴン危機一髪!』『ドラゴンへの道』『燃えよドラゴン』あたりは、
今見ても本当に面白い……!
『燃えよドラゴン』の前半では、
ブルース・リーVSブレイク前のサモハンという豪華な対決が観賞できる。
オープンフィンガーグローブを着用し、打撃だけでなく関節技まで使うそのスパーリングは、総合格闘技ブームの完全な先取りだった。とても30年前の映画とは思えない。今でも、ハリウッド映画の立ち回りはブルース・リーに追いついていない。
ブルース・リーの死亡以降、やや低迷する香港映画界。
その状況に活を入れたのが、ツイ・ハークだった。
香港映画といえば、人間を空に飛ばすワイヤーアクション。
ワイヤーアクションを最も効果的に使うのが、
ツイ・ハーク監督と武術指導ユエン・ウーピンのコンビ。
このコンビは、リー・リンチェイ(ジェット・リー)を主演に据えた、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで世界の度肝を抜いた。
中国拳法のテクニック、武侠の超人性、一風変わった状況での戦い……。
ツイ・ハークの作品には、香港映画のすべてが詰まっている。
深見にとってのキング。キングオブ香港映画だ。
ツイ・ハーク監督作品には、一目見ただけでは何がなんだか判らない奇妙な武器がよく出てくるのも楽しい。ワンチャイ第二作『天地大乱』で登場した布の槍。『刀』で登場した、鎖つきの短刀。『セブンソード』に登場した殺人傘や連結剣。
どう見ても武器に見えない「それ」が、戦闘になると実に見事な動きを見せる……! そこが本当にたまらないのだ。
ツイ・ハークも武侠小説にこだわりを持つ映画人の一人。
『新蜀山劍侠』(邦題、蜀山奇傳 天空の剣)や、
『七劍下天山』(邦題、セブンソード)などなど、
武侠小説を原作にした映画を何本も撮っている。
ハマればハマるほど奥深い香港映画の世界。
深見の人生は、武侠小説と香港映画に多大な影響を受けている。
受けた影響を、ストレートに吐き出そうと思って書き始めたのが、
『武林クロスロード』だ。
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